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ホリスティック栄養学&ホリスティックケアを中心とした健康コラム By Yukiyo
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タマネギエキスの新効果
数日前、日本動脈硬化学会で、ケルセチンを含む濃縮タマネギエキスの摂取により血管内皮機能を改善する効果が期待できるという報告がありました。

Yukiyo Kitchen 玉ねぎ

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タマネギエキスの継続摂取で食後の血管内皮機能が改善

 タマネギエキスを継続して摂取することで、食後の血管内皮機能が改善することが示された。広島大学の東幸仁氏とハウス食品の共同研究の成果で、ハウス食品の中山英樹氏らが7月19、20日と福岡で開催された第44回日本動脈硬化学会(JAS2012)で報告した。

 対象は23人の健康男性(うち1人は水の代わりにミルクでタマネギエキスを摂取していたことから今回の解析からは除外)。平均年齢は44±10歳で、空腹時血糖値(FPG)は91.7±7.5mg/dL、身長は1.72±5.7m、体重はエキス摂取前が68.4±8.2kg、摂取後が68.4±7.8kg、BMIは摂取前が23.0±2.1kg/m2、摂取後が23.0±2.0kg/m2だった。

 被験者には、ケルセチン51mgおよびシクロアリイン46mgを含むタマネギエキス粉末4.3gを1カ月間、毎日摂取してもらった。その上で、継続摂取の前後で空腹時あるいは食後の血管内皮機能を比較した。比較にはFMD(Flow-Mediated Dilation)値を指標として用いた。空腹時のFMD値は、少なくとも12時間のオーバーナイト絶食後に測定した。また食後のFMD値は、空腹時FMD値の測定から5分後に、75g麦芽糖水溶液を摂取し、それから1時間後に測定した。

 その結果、空腹時FMD値は摂取前後で、有意差には至らなかったが改善傾向を認めた(6.4±2.7%から7.2±2.7%、P=0.069)。一方、食後FMD値は、摂取前の5.1±2.2%が摂取後には6.7±2.6%へと有意に改善した(P=0.00015)。

 演者らはこれらの結果から、ケルセチンを含む濃縮タマネギエキスの摂取は健康人の血管内皮機能を改善する効果が期待できると結論した。

---------------------- (日経メディカル別冊 2012.7.24)----------


簡単に説明しますね。

まず、血管内皮機能とは、血管内皮細胞の機能のことです。血管内皮細胞は全身を巡る血管の最内層にある細胞で、血管壁の収縮・弛緩、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系の調節などを行っています。
高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満など様々な生活習慣病により 血管内皮機能 が低下し、その状態が続けば、動脈硬化の進展、さらにはプラーク(粥腫)の不安定化を引き起こします。
血管内皮機能の低下した状態を早期に発見し、その機能を高めることにより動脈硬化の予防につながるので、血管内皮機能を改善する機能性食品を開発し、臨床的にしっかりと評価する意義があるとされていました。

シクロアリインは、玉ねぎに含まれて、熱を加えると増加する無味無臭の成分で、肝臓にある脂質をまとめて血中に送り出す作用をもった酵素の働きを妨げることで、血中のコレステロールを減らす作用があります。

以前、たまねぎの皮などに多く含まれるケルセチンには、脂肪の吸収を抑制する上、強い抗酸化作用があり、炎症やアレルギーを抑える働きがあると書きましたが、更に、血管内皮機能を改善する効果が期待できるという嬉しい報告ですニコッ

 
| Yukiyo | 食品・栄養 | 05:20 | comments(3) | -
体にとても良いのですね。
早速食べよう〜 何が効果的なのかな
| hiro | 2012/07/31 12:59 PM |

玉ねぎの色々な機能、とても興味深いですね。
| Yoko | 2012/07/29 6:38 PM |

わかりやすい説明、ありがとうございました。

玉ねぎってすごいですね。
| 美香 | 2012/07/29 10:03 AM |












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