エンザイム(酵素)Lab.

ホリスティック栄養学&ホリスティックケアを中心とした健康コラム By Yukiyo
桜の香り「クマリン」
例年よりもかなり早く桜の開花発表がありましたね。

桜餅をはじめ、お菓子やお料理に桜の葉の塩漬けが使われますが、桜の花や葉には香りがあまりないのに、塩漬けしたものはとてもいい香りがしますね。

生の葉の中ではクマリン酸グルコースという不揮発性、つまりニオイの無い物質として含まれています。それが塩漬けにされることで、これも葉の中に含まれている加水分解酵素(β−グルコシダーゼ)の働きでクマリンになるのです。
クマリン
クマリンは花、葉、枝、幹に含まれていますが、普段は糖と結合した配糖体と言われる状態で、 この時は匂いを感じません。花や葉を塩漬けにする事によって、糖分が分離し、クマリンの匂いを感じるようになります。
また、クマリンは、明日葉をはじめ、ウコンやホップや食用菊などにも含まれています。

クマリンの効能・・・抗菌作用、リラックス効果、二日酔い防止作用、咳止め作用、鎮静作用、アルツハイマーの予防作用など

干し草も草を干す過程でクマリンができるのだそうです。
「ホイバッド」という入浴法をご存知ですか?
オーストリアで、200年以上の歴史を持つ伝統的な入浴法「干草風呂」のことです。日本の砂風呂や酵素風呂のような感じでしょうか…。
クマリンは血液をサラサラにして血行を促進する作用があります。
干草風呂に入ると、干草の発する熱によって汗腺が開き、クマリンが吸収され、血行が促進されるのです。
20〜30分中にはいるだけで身体の芯から温まり、冷え性・腰痛・関節痛の改善に効果を発揮するのだそうです。

桜塩に引き出される春の香り
| Yukiyo | 食品・栄養 | 08:21 | comments(0) | -
タマネギエキスの新効果
数日前、日本動脈硬化学会で、ケルセチンを含む濃縮タマネギエキスの摂取により血管内皮機能を改善する効果が期待できるという報告がありました。

Yukiyo Kitchen 玉ねぎ

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タマネギエキスの継続摂取で食後の血管内皮機能が改善

 タマネギエキスを継続して摂取することで、食後の血管内皮機能が改善することが示された。広島大学の東幸仁氏とハウス食品の共同研究の成果で、ハウス食品の中山英樹氏らが7月19、20日と福岡で開催された第44回日本動脈硬化学会(JAS2012)で報告した。

 対象は23人の健康男性(うち1人は水の代わりにミルクでタマネギエキスを摂取していたことから今回の解析からは除外)。平均年齢は44±10歳で、空腹時血糖値(FPG)は91.7±7.5mg/dL、身長は1.72±5.7m、体重はエキス摂取前が68.4±8.2kg、摂取後が68.4±7.8kg、BMIは摂取前が23.0±2.1kg/m2、摂取後が23.0±2.0kg/m2だった。

 被験者には、ケルセチン51mgおよびシクロアリイン46mgを含むタマネギエキス粉末4.3gを1カ月間、毎日摂取してもらった。その上で、継続摂取の前後で空腹時あるいは食後の血管内皮機能を比較した。比較にはFMD(Flow-Mediated Dilation)値を指標として用いた。空腹時のFMD値は、少なくとも12時間のオーバーナイト絶食後に測定した。また食後のFMD値は、空腹時FMD値の測定から5分後に、75g麦芽糖水溶液を摂取し、それから1時間後に測定した。

 その結果、空腹時FMD値は摂取前後で、有意差には至らなかったが改善傾向を認めた(6.4±2.7%から7.2±2.7%、P=0.069)。一方、食後FMD値は、摂取前の5.1±2.2%が摂取後には6.7±2.6%へと有意に改善した(P=0.00015)。

 演者らはこれらの結果から、ケルセチンを含む濃縮タマネギエキスの摂取は健康人の血管内皮機能を改善する効果が期待できると結論した。

---------------------- (日経メディカル別冊 2012.7.24)----------


簡単に説明しますね。

まず、血管内皮機能とは、血管内皮細胞の機能のことです。血管内皮細胞は全身を巡る血管の最内層にある細胞で、血管壁の収縮・弛緩、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系の調節などを行っています。
高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満など様々な生活習慣病により 血管内皮機能 が低下し、その状態が続けば、動脈硬化の進展、さらにはプラーク(粥腫)の不安定化を引き起こします。
血管内皮機能の低下した状態を早期に発見し、その機能を高めることにより動脈硬化の予防につながるので、血管内皮機能を改善する機能性食品を開発し、臨床的にしっかりと評価する意義があるとされていました。

シクロアリインは、玉ねぎに含まれて、熱を加えると増加する無味無臭の成分で、肝臓にある脂質をまとめて血中に送り出す作用をもった酵素の働きを妨げることで、血中のコレステロールを減らす作用があります。

以前、たまねぎの皮などに多く含まれるケルセチンには、脂肪の吸収を抑制する上、強い抗酸化作用があり、炎症やアレルギーを抑える働きがあると書きましたが、更に、血管内皮機能を改善する効果が期待できるという嬉しい報告ですニコッ

 
| Yukiyo | 食品・栄養 | 05:20 | comments(3) | -
イチゴの花粉症抑制効果

「イチゴに花粉症などのアレルギー症状を抑える成分が含まれている」という記事が22日の新聞に掲載されていました。ご覧になった方も多いかと思います。
Yukiyo's Kitchen イチゴ
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 イチゴに、花粉症などのアレルギー症状を抑える成分が含まれていることを、北九州工業高等専門学校(北九州市小倉南区)の川原浩治教授(細胞工学)が突き止めた。
 この成分を濃縮した機能性食品の開発が期待され、川原教授は「研究成果を様々な国で利用してもらえれば」と国際特許を出願している。米国ボストン市で18〜21日に開かれた「国際バイオ展示会」で発表した。
 
 川原教授は、人間の血液から採取した細胞の培養液にスギ花粉を入れ、花粉症を発症したモデルとなるヒト細胞を作製し、ニンジンやタマネギなど約190種類の食品で試した。
その結果、すり潰したイチゴから抽出した液を加えると、アレルギーの引き金となる物質「IgE抗体」が減少し、イチゴの成分を分析した結果、「GAPDH」という酵素が作用していることがわかった。
 
 品種により抑制効果に違いがあることもわかり、「とよのか」ではIgE抗体の量が22・3%、「あまおう」は16・7%減少した。人為的にアレルギーを起こした状態のマウスを使った実験では、一日1回イチゴの抽出液100マイクロ・グラムを与えると、アトピー性皮膚炎や鼻炎の症状が1週間過ぎから改善した。
 ただ、マウスに与えた量を体重60キロの人に換算すると、一日に「とよのか」(1個15グラム)を20個以上、1週間以上続けて食べる必要があるという。(中村明博)

------------------------------------6月22日 [ 読売新聞 ]--------------


記事の中に出てくる「GAPDH」というのは、グリセルアルデヒド3-リン酸塩デヒドロゲナーゼのことで、糖分解の6回目のステップに触媒作用を及ぼす酵素です。

近年、様々な研究によって、食品の成分の持つ機能が次々発見され…とても喜ばしいことですねサキ

| Yukiyo | 食品・栄養 | 04:43 | comments(5) | -
青魚で肝がん発症リスク低下
DHAやEPAなどのn-3不飽和脂肪酸を豊富に含む魚をよく食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、肝がんを発症するリスクが0.64倍に下がる ことが7日、国立がん研究センターの調査で分かったと米国の消化器病学会誌に発表した』とニュースで見ました。
肝がんの主な原因となるC型肝炎やB型肝炎ウイルスの感染者に限って調べても同様の傾向が見られたとのこと。 
同センターの沢田典絵研究員によると「DHAなどの不飽和脂肪酸には抗炎症作用があり、肝炎ががんに移行するのを抑えているのではないか」とのことです。

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DHAにはシクロオキシゲナーゼというアレルギーを促進する酵素を阻害する働きがあります。シクロオキシゲナーゼはプロスタグランジンE2という、アレルギー症状や関節炎などを促進する物質を作り出します。
DHAはシクロオキシゲナーゼを阻害してプロスタグランジンE2が作られるのを抑制しますが、プロスタグランジンE2は発ガンプロモーターなので、プロスタグランジンE2を抑制することは、ガン予防にもつながるのでしょう。

DHAは脂に含まれる成分なので、脂がのった旬の時期の魚をいただきましょうサバ

DHAやEPAをたくさん含む青魚を食べましょう!
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| Yukiyo | 食品・栄養 | 01:00 | comments(3) | -
チロシンでやる気UP↑
タケノコが美味しい季節ですね。
機会があったら、ぜひ自分で掘ってお料理してみてくださいね。
茹でたタケノコを切ると白い粉のようなものがでてきますね。
チロシン

これはチロシンの一部が結晶となって表面に付着したものです。水煮のタケノコでもチロシンの量はほとんど変わらないと言われています。

チロシン

チロシン (tyrosine) は芳香族α(アルファ)-アミノ酸の1つで、側鎖にフェノール部位を持ちます。2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸あるいは p-ヒドロキシフェニルアラニンとも呼ばれます。

脳を活性化させてドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の原料となります。
ドーパミンやノルアドレナリンはやる気や集中力に関わり、これらが少なくなると、やる気や集中力が低下します。ドーパミンが増えると脳が活性化することで、集中力が高まりやる気もわいてくるのです。
最近では、うつ病、認知症、パーキンソン病の予防・治療に効果があるともいわれ、研究が進められています。その他細胞の老化を抑えたり、高コレステロール改善の働きも持ちます。

チロシンは大豆やタラコ、チーズ、落花生、しらす干しなどの含まれているのですが、特にタケノコにはこのチロシンが豊富に含まれています。

精神的なストレスを解消したり、規則正しい生活習慣をつけたりする上で、やる気がわいてこない…という時は、チロシンを含むこれらの食べ物を補給してみてください。

やじるし タケノコの調理法
やじるし タケノコの栄養と効果的な食べ方

タケノコを食べてやる気UP
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| Yukiyo | 食品・栄養 | 20:00 | comments(2) | -


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